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制度概要

トップレベル事業所とは

目的

東京都では、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード(C&T)制度を2010年に開始し、都内の業務・産業部門のCO₂排出両の約4割を占める大規模事業所における温暖化対策を推進してきました。
トップレベル事業所制度は、このC&T制度の一環として導入され、省エネルギーに関する技術革新や自主的な改善努力を積極的に奨励し、トップレベル事業所の先進的な事例を通じて、持続可能な社会への理解と行動の拡大を目指しています。

概要

東京都が実施する「トップレベル事業所」制度は、優れた省エネルギー技術や高度な環境マネジメントを取り入れ、積極的に温暖化対策を行う事業所を認定・支援する制度です。
特に、省エネルギーに関する「体制の整備」「設備の導入」「運用の改善」の各面で先進的かつ高度な取組を実践する事業所を東京都が「トップレベル事業所」として認定しており、 他の大規模事業所の目標・モデルとして位置付けることで、都内事業所全体の環境性能向上と脱炭素社会への移行を促進しています。
トップレベル事業所は、事業所における温暖化対策のモデルケースとして情報提供や普及啓発の役割を担い、事業所における脱炭素化の牽引役として重要な役割を果たしています。

環境負荷の低減 環境負荷の低減のイメージ画像
脱炭素社会の実現 脱炭素社会の実現のイメージ画像
企業の環境意識向上 企業の環境意識向上のイメージ画像

対象事業所

「トップレベル事業所」の認定対象となるのは、東京都が条例で定める「特定地球温暖化対策事業所」です。
これは、燃料、熱、電気等の使用量が原油換算で年間合計1,500kL以上となる状況が3か年度連続した事業所を指します。
現在、都内の事業所は約66万所ありますが、この基準を満たす特定地球温暖化対策事業所は約1,200所(全体の約0.2%)に限られています。
総数は少ないものの、これらの事業所が都内の業務・産業部門全体のCO₂排出量のおよそ4割を占めており、
都の脱炭素化推進において極めて重要な役割を果たしています。

評価項目

トップレベル事業所の認定にあたっては、以下の評価項目により温暖化対策実施状況を総合的に評価します。
建物・設備の性能だけでなく、体制整備や機器の効率利用等、多面的な省エネルギー対策の推進状況の評価が特徴です。
2025年度からは、項目Ⅳ及びⅤが新たに追加され、省エネルギーに加えて再生可能エネルギーの積極的な利用やゼロエミッション化、
地域社会や将来世代への貢献等、環境への取り組みをより幅広く評価してまいります。

Ⅰ 一般管理事項

    推進体制、コミッショニング等に関する項目
取組例
  • 削減目標や削減実施計画等の検討会議の実施回数
  • 熱源・熱搬送設備の運転解析による効率の把握

Ⅱ 建物及び設備性能に
関する事項

    建物及び設備機器の省エネ性能に関する項目
取組例
  • 熱源2次ポンプの送水圧力設定制御の導入
  • 高効率照明器具の導入

Ⅲ 事業所及び設備の
運用に関する事項

    設備機器の適正管理と最適化に関する項目
取組例
  • 部分負荷時の熱源ポンプ運転の適正化
  • パッケージ形空調機の省エネチューニングの実施

Ⅳ 事業所の再生可能エネルギーの
利用に関する事項

    再エネ利用と電気需要の最適化等に関する項目
取組例
  • 太陽光発電システムの導入
  • デマンドレスポンスに対応した設備の導入

Ⅴ 事業所のゼロエミッション化や
環境配慮等の取組に関する事項

    事業所に留まらない先進的取組に関する項目
取組例
  • ゼロエミッション化やZEB化のロードマップ策定
  • 災害対策等の気候変動適応策の実施

認定区分

評価点の合計及び必須項目への適合の有無により認証区分(レベル)が決定されます。
認定制度開始以来、省エネルギー対策の状況を重点的に評価してきましたが、2025年度以降は、 項目Ⅳ及びⅤが追加され、より幅広い環境配慮活動を評価できるようになった踏まえ、認証区分を改正しました。
これにより、省エネ・再エネ両面での取り組みの自主性や地域社会・将来世代への貢献がより一層高く評価してまいります。

2024年度までの認定区分

省エネに資する体制整備・設備導入・設備運用棟について、
都が定める認定の基準以上のレベルで実施する事業所を評価

準トップレベル事業所 地球温暖化の対策の推進の程度が「特に」優れた事業所
トップレベル事業所 地球温暖化の対策の推進の程度が「極めて」優れた事業所

2025年度からの認定区分

省エネ・再エネ両面から自律的に取組を推進するとともに、
地域や将来世代にも繋がるような取組を積極的に推進する事業所をより高く評価

トップレベル事業所
Silver
一定水準の省エネ対策・
再エネ利用を実施
トップレベル事業所
Gold
「Silver」よりも更に省エネ対策
や再エネ利用の取組を実施
トップレベル事業所
Diamond
ゼロエミッション化に向けた
省エネ・再エネに加え
更に進んだ環境配慮等を推進